
エコや節電の観点から、太陽光発電の導入に興味を持っておられる方が増えています。なんとなく興味はあっても、実際のところどんなメリットがあるのか具体的なイメージを持てないと、なかなか一歩を踏み出せないのではないでしょうか。
そこで今回は、太陽光発電導入メリットをお伝えするとともに、太陽光パネルの種類について解説しますので、導入検討の際のヒントにしてくださいね。
太陽光発電導入には初期費用がかかりますので、それなりのメリットを感じられなければ導入を決断することは難しいと思います。
そこでまずは、太陽光発電導入のメリットからご紹介したいと思います。
太陽光発電導入の1番のメリットは、やはり電気代を削減できることでしょう。太陽光という自然エネルギーは無料ですから、天候に恵まれれば電気代が大幅に削減できます。
太陽光発電協会(JPEA) 表示ガイドライン(2020年度)によると、設置容量1kWあたりのシステム年間発電量は約1,000kWhとされています。環境省が発表した家庭部門のCO2排出実態統計調査によると、2017年度の一般的な家庭の平均年間電力消費量が4,322kWh、支払い金額は10.6万円となっています。仮に4kWの発電設備を取り付けた場合、そのほとんどの電力を太陽光発電でカバーできることになります。
4kWの発電設備を設置するにはどれくらいの面積が必要かについては、環境や発電設備によって違いがあると考えてください。環境省の資料によると、1kWの太陽光発電の設置に必要な面積は15㎡程度とされていますが、メーカーが発表している情報では4kWの発電設備は25〜30㎡で設置できるとされています。
太陽光発電の導入により削減できる電気代がもう一つあります。それは「再エネ賦課金」です。「再エネ賦課金」は、固定価格買取制度(FIT)にかかる費用を補填するために、毎月電気代の一部として徴収されています。太陽光発電を導入している場合、この「再エネ賦課金」は加算されないので、この分の電気代が削減できるのです。
この制度が導入された2012年度は0.22円 / kWhだったのですが、2021年度には3.36円 / kWhまで上昇しており、今後2030年までは上昇し続けるとされているため、今後さらに削減効果は高まると考えられます。
太陽光で発電した電力は自家消費するだけではなく、「電力固定価格買取制度(FIT)」によって、電気会社に一定期間定額で買い取ってもらうことができます。資源エネルギー庁(経済産業省)の資料によると、住宅用太陽光発電設備で発電された電力のうち約7割が買い取られているとされており、売電によってある程度収入が得られる可能性は十分にあるといえるでしょう
FIT期間(10kW未満で10年、それ以上は20年間)が終了した後でも、電力会社との契約ができれば、引き続き電力を販売することは可能です。
日本は地震が多い国であることに加え、近年は台風や集中豪雨などの自然災害が増えています。災害時やその他原因による停電が起きても、太陽光発電設備であるパワーコンディショナーの自立運転機能を使うことによって、電気を使うことが可能です。自立運転機能は、ほとんどのパワーコンディショナ―に備わっています。
自立運転機能で使用できる電気は1,500Wまでであることが多いですが、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、電気ポット、パソコン、携帯電話充電など、ほとんどの消費電力はそれ以下ですので、問題なく使用ができるでしょう。
天候に左右はされるものの、災害時でも電力が使えることは非常に大きなメリットです。蓄電池があれば、発電した電力をためておくこともできます。
石油や石炭などの枯渇性エネルギーと異なり、太陽光は自然エネルギーなので枯渇する心配がなく、CO2を排出しないので地球にやさしいです。
エコの効果は、なかなか個人へのメリットが感じにくいかもしれませんが、環境に負荷をかけ続けていれば最終的に自分に返ってくることになります。地球にやさしくあることは、自分たちの暮らしにとってやさしいことでもあるのです。
企業の場合、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用することは、CSR(企業としての社会的責任)としての評価が高まることにも繋がります。今の時代を生きていく上で、エコへの意識を高めることは大切なことなのではないでしょうか。
電気代を削減でき、地球にもやさしい太陽光発電は大変魅力的ですが、デメリットもあります。後悔しないように、デメリットについても理解しておきましょう。
太陽光発電を導入する際には、100万円以上の初期費用がかかることがほとんどです。この点は、1番のデメリットであるといえるでしょう。
ただし、長い目でみると電気代の削減や売電による利益があります。また、自治体によっては補助金が支給されることもあるので、ぜひ活用しましょう。太陽光パネルの種類、メーカー、業者の選び方でも、費用を抑えることができますよ。
太陽光という自然エネルギーが相手になりますので、発電量には変動があります。時期によって発電量が少なくなってしまうことはありますが、年間を通した発電量で考えるとそれほど大きな変動はありませんので、大きなデメリットとはいえないでしょう。
太陽光パネルを屋根に設置すると数百キロの負荷がかかることになります。基本的には、住宅の性能に影響を与えるような設置はしないので心配はありませんが、できるだけ負荷をかけたくないという場合は、重量を重視してメーカーや種類を選ぶと良いでしょう。
屋根の形状や環境によっては、取り付けられない、もしくは取り付けても満足のいく発電量は期待できないという可能性もあります。その場合は、土地の上やカーポートの上などへの設置も検討してみると良いでしょう。
太陽光パネルによって、太陽光エネルギーをどれくらい電気に変換できるかが異なります。これをエネルギー変換効率(発電効率)といい、変換効率が高いものが、性能が高いといえます。
太陽光パネルには、「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類があり、エネルギー変換効率や製造コストが異なります。有機系についてはまだ実用化されていないため、今回は「シリコン系」「化合物系」についてご紹介しましょう。
シリコン系太陽光パネルは、住宅型太陽光パネルで最も多く使用されています。シリコン系の中にも「単結晶シリコン」「多結晶シリコン」「薄膜シリコン(アモルファスシリコン・微結晶シリコン)」の3種類があります。
一番初めに開発されたのが、単結晶シリコンの太陽光パネルです。
結晶が規則正しく並んでいるため、発電ロスが少なく、他のシリコン系パネルと比較してエネルギー変換効率が高い(20%前後)という特徴があります。
他と比べて製造コストが高いことと、気温が高い日にはエネルギー変換効率が下がってしまう点がデメリットです。
多結晶シリコンは、単結晶を作る際に発生した端材のシリコン結晶や規格外のシリコン原料集めて作られています。単結晶シリコンと比べて製造コストは安いですが、単結晶のように結晶が規則正しく並んでいるわけではないため、単結晶シリコンと比べるとエネルギー変換効率がやや低い(15%前後)です。
薄膜シリコンは、その名の通り薄い幕状になっているため、軽い上に折り曲げることができます。そのため、重たいものが載せられない屋根や、壁などにも取り付けが可能です。
薄膜シリコンの製造に必要なシリコンの量は多結晶シリコンの100分の1程度のため、製造コストが安いです。また、他のシリコンと比べ、気温が高い日でもエネルギー変換効率の低下が少ないという特徴もあります。
ただし、エネルギー変換効率は10%前後と低くなっています。
この他、シリコン以外の複数の物性を持つ素材を重ね合わせて作る太陽光パネルも登場しており、「ヘテロ接合太陽電池(HIT太陽電池)」と呼ばれています。単結晶シリコンと比べてもエネルギー変換効率が高いですが、製造コストは高いです。
化合物系太陽光パネルは、大きく分けて「CIS/CIGS」と「CdTe」の2種類です。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
銅、インジウム、セレンを原料とする化合物半導体で作られた太陽光パネルはC I Sといいます。製造コストがシリコン系太陽光パネルと比べて非常に低く、それでいてエネルギー変換効率も12%程度あります。
この3つにガリウムを加えて作られた太陽光パネルはC I G Sと呼ばれ、C I Sよりも効率的に電力を生み出すことが可能です。
シリコン系太陽光パネルと比べ、影ができてもエネルギー変換効率が低下しにくく、高温環境に強いという特徴もあります。
住宅用よりも、多くの太陽光パネル設置が必要な産業用太陽光発電でよく使用されています。
カドミウムとテルルを原料とした化合物半導体で作られた太陽パネルをCdTeといいます。
低コストで生産でき、エネルギー変換効率が良いですが、有害物質であるカドミウムが含まれているため、国内メーカーでは製造していません。
太陽光発電を導入すると、電気代の削減や売電による収入などの経済的メリットだけではなく、災害時の備えにもなります。寿命も25年程度と長い上に、故障のリスクが少なくお手入れの手間が少ない点もメリットであるといえるでしょう(4年に1回程度は点検を行いましょう!)。
太陽光発電は高いと思っている人も多いと思いますが、種類によっては低コストで導入できるものもあります。太陽光発電を導入する際には長所短所をよく理解し、予算や環境に合わせて最適なものを選ぶようにしてくださいね。